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#09「昭和・平成・令和のちがい」服部 淳一 (HMS役員 | 神戸国際大学 経済学部 講師)
みなさんはドラマを見ますか?私がいま注目しているドラマは、脚本・宮藤官九郎さん、主演・阿部サダヲさんのTBS系「不適切にもほどがある!」です。
公式サイトによると「昭和の『当たり前』は令和の『不適切』!? “昭和”から“令和”にタイムスリップしたことで改めて感じる人々とのギャップや共感を描く、意識低い系タイムスリップコメディ」とされています。初回は、中学校の体育教師役の阿部サダヲさんが、ひょんなことから1986年から2024年へタイムスリップし、昭和の駄目おやじの「不適切」発言が令和の停滞した空気をかき回す…」といった内容でした。
当初、昭和を小ばかにするドラマなのかなと思っていましたが、実際はその逆で、令和の「ここおかしいんじゃない!?」という点をズバッと指摘する内容に、昭和55年に生まれ、平成15年にホテリエデビューし、令和元年に大学教員に転職した身としては、ただ面白いだけでなく、「うーん」と唸らされたり、「確かに」と考えさせられたり…非常に興味深い内容でした。
おそらく、宮藤官九郎さんの意図は、昭和的な価値観を称揚することではなく、「昭和おじさん」というキャラクターを中心に据えることで、昭和の常識と令和の常識を相対化させ、いまを生きる我々にとっての「本当の幸福とは何なのか」について、その思考を促すことにあるのではないかと考えます。
HMSでは、3月5日に「持続可能なキャリア」について考えるシンポジウムを開催します。「昔が良くて今が悪い」「昔が悪くて今が良い」といった二項対立ではなく、自分が自分らしく、そして幸せにキャリアを歩んでいくためのインプット(=基調講演)、アウトプット(=ディスカッション)をおこなう内容となっています。人生100年時代に、いつまでも満足感や納得感を持ち、幸せに働き続けるために「世界にたった1人の自分を幸せにする方法」を知るためのきっかけにぜひ奮ってご参加ください。